2012年6月30日土曜日

一年半

本格的に話し方を学び始めて一年半が経った。
2011年1月、HRのN教室に始まり、19教室、C教室を受講、6月にはM教室も追加した。四つの教室を掛けもちで通った。7月からはC教室が週イチになり、N教室の自主勉強会を含めれば、月12日を話し方に捧げたことになった。

教室通い前年は、話し方において試練の年だった。

2010年6月には、新刊トークイベントの前説で参加者30名を前にあがりで頭が真っ白になった。二の句が出ない。沈黙の中、永遠のような数秒が続いた。客席に紛れたスタッフは俯いたまま、目をあわせようともしない。助け舟もない絶望的な状況を味わった。

2010月9には、友人の結婚式の二次会で共通の知人と二人で司会をした。メモを棒読みしながらようやく話す一方で、知人の滑らかな司会ぶりは「プロみたい」と大絶賛された。二次会は成功したが、どこかむなしい気持ちが残った。

話し方というのは経験をつめば自然に上手くなるものだと思っていた。
前述の経験からの学びは、そうではないことをようやく認められたことだろう。
ただ、それまでも手をこまねいていたわけではなく、何度か短期のレッスンに通ったことはあった。ただ、短期ではあまり効果を実感できない上、料金が高かった。

それでも今一度探してみた。そしてウェブ検索で見つけたのがN教室だった。
N教室の存在は大きかった。同時期に入ったメンバーが多く、モチベーションを維持させてくれる仲間に恵まれた。N教室では講義後にお茶会もあり、レビューを拾えた。

ボイトレのあるC教室も大事な場所になった。
中でもK口さんの存在は、その後、表現よみ、ボイトレへの興味に繋がった。

教室通いを始めた一年も、大勢の前で話す機会が何度かあった。

2011年2月には、新刊トークイベントにて参加者40名のなかで前説後説を行った。話し方を学び初めてはいたものの、一ヶ月強。それでもテンションを上げて「できる、できる」と自分を奮い立たせた。前回と同じスタッフがいる中で、前と違うところを見せようという意地が芽生えた。がむしゃらにやりきった。

2011年9月には、新刊トークイベントで司会を手堅くこなした。北海道出張から帰ったばかり。参加者が集まらず直前まで声をかけ続けてほとんど司会の準備ができないなかで、やりきれたのは大きい。参加者の半数が知人というなかで反応を見ながら話せたのは自信になった。

その一週間後には、友人の結婚式で友人スピーチを行った。丸暗記。以前いっしょに司会をやって絶賛された友人である。声を張って、アイコンタクトもとれた。達成感はあったが、もっとできたという欲が出たのは不思議だった。もっと上手くなりたい。そう思ったのだ。


今年に入っての挑戦は声の質を高めることだった。声の大きさ、歯切れ、滑舌。
1月から月イチの活弁教室の門を叩いた。残念ながら三ヶ月で止まったが、半年が経ち今一度、通い直そうと思っている。

4月からは話し方専門のボイトレのレッスンにも通い始めた。週二回、30分。毎回が新鮮、着実に成果は出ている。本物のプロの指摘は、自分がC教室のボイトレを過信していたことに気づかせてくれた。ただ、ボイトレのレッスンで学んだことをC教室でも活かせれば、相乗効果を期待できる。

そしてTMC。スピーチの手練れが多い中、準備スピーチをこなすことで適切な改善点を指摘してもらっている。細かい筋肉まで鍛えられるような感覚。話し方の応用編といった塩梅。HRで基礎を学んでから受講したメリットをとても感じている。

HRはN教室、C教室で落ち着いてきた。
新しく挑戦したいこともあるが、2年目の後半は、今いるそれぞれの場所でレベルアップを目指していこう。

2012年6月29日金曜日

表情筋を上げる訓練

ボイトレのレッスンでいわれた表情筋を上げる訓練を、折りを見てやっている。
トイレの鏡の前で、一人のエレベーターの中で、はたまた通勤途中に人がいないときを狙って。

この訓練の狙いは声を響かせるためだ。
少し高い声で眉間や鼻を振動させるのがポイントらしい。
今のところまだ効果を実感できない。

まぁ先生は信用できる人だし、トレーイング方法もしっかり確立されている。
とにかく地道だけどクセになるまでやっていこう。
こうやって課題を一つ一つクリアしていくしかないのだから。

2012年6月28日木曜日

好奇心に振り回されない

K口さんの実習スピーチが印象に残っている。
テーマは「ことわざ・格言」について。選んだ格言はニーチェの「好奇心に振り回されない」だった。以下のように補足が続いた。


好奇心は、
自分の能力を発火させるためには
たいせつだが、
世界のすべてを見聞できるほど
人生は長くは続かない。


ベストセラー『超訳 ニーチェの言葉』に載っていたフレーズらしい。

この格言は、僕自身が「多趣味ですね」と言われることを素直に喜べないどころか、
むしろ後ろ暗い気持ちになってしまう理由を端的に表していると思った。

「本当にやりたいことがわかってないんですね」と言われているように解釈してしまうからだ。いや、解釈してしまうというより、そう思っているんだろう。

上京してからのすべては「本の編集」という仕事に繋げる意識があった。
写真、キャッチコピー、編集ライター、いろんな教室に通い、いろんな本を読んだ。
メディアリテラシーを高めるための講座通いも「本の編集」に活かせるという思いがあった。

本の編集から解き放たれた今、「本にするならどうするだろう」という思考法はそのままに、とにかく「話し方の勉強」に力を入れよう。
何をするにも話力を高めることを優先的に考えよう。具体的な何かが見えているわけではないけど、もう少し進んでみよう。

ずっと時間に追われるように生きてきたが、ここ最近、時間がないという意識は強まるばかりだ。書店で本を買うときも、ウェブで情報を得るときも、今は興味の幅を広げすぎないようにしたい。

確かに、将来的に何が幸いするのか、現時点ではわからない。
それに知っていないより知っているほうがいい。
でも、時間がない。
好奇心にまかせて情報を仕入れすぎないこと。
しかしこの言葉、多趣味なK口さんから聞くことになるとはね。

2012年6月27日水曜日

スピーチのときの姿勢

最近、スピーチのときに姿勢が悪くて自信がなく見えるという指摘を立て続けにもらった。
C教室でのプレゼン、立川TMCでの準備スピーチに対する論評、そしてボイトレである。

自分では気づかなかったが、どうやら背中を丸めているらしい。
姿勢について、気にはなっていた。
それだけに、いつも話す直前までは意識しているはずだが、話しているうちに姿勢が崩れているのだろう。

どうすればいいか?
ボイトレの先生のアドバイスは意外なものだった。

もう少しアゴをあげてみること。
要は壁に背中をつけたとき、後頭部も壁つけた状態をキープする姿勢。
アゴを上げることで偉そうに見えないか心配だったが、どうも杞憂らしい。
実際どうかは聞き手の反応を見ないといけない。
ただ、先入観というのは何気ないところにある。
話し方の勉強はそれが覆される経験が多い。

少し意識してやってみよう。
7月31日のTMC準備スピーチには自信に満ちた姿勢で臨みたいものだ。

2012年6月26日火曜日

表情にメリハリを

立川TMCでやったスピーチの動画が送られてきた。
こういうサポート、素晴らしいな。
早速見てみると、終始、半笑いで話している自分……。
歯を見せている。

思いつく理由はボイトレ。
声をこもらせないために、上唇を引き上げ歯を見せるという訓練が無意識化しているように思う。

先日、スピーチの改善点として、表情のトーンにメリハリと言われた理由がようやくわかった。
確かに話の内容と表情があっていない。

これは気づかなかった。
動画は偉大だ。
自分で撮ったものも、ちゃんとパソコンの大きな画面でチェックすべきだな。

2012年6月25日月曜日

あがり症克服のヒント

6月最後のシビック教室だった。
TMC用のスピーチ練習のため、しばらくやっていなかったプレゼン練習を行った。
5月以来だろうか。今回の発表テーマは「あがり症克服のヒント」にした。

E本さんの期待に応えて、
新田祥子書『あがらないスピーチ教室』から不安感情をなくすための方法をまとめた。

プレゼン内容は以下の通り。
「あがり」が本能であるのに対し、「あがり症」は人前であがることを何度も経験することで“学習”した条件反射である。条件反射ということは、あがらずに話すことを、繰り返す学習することで克服できる。そのためには、不安感情をなくす、情報整理力を高める、発話スキルを高める、というセルフマネジメントが必要。後者二つ、つまり、ストラクチャー、デリバリースキルは教室で習う。そこで、ここでは前者の不安感情をなくすヒントを紹介する。
あがり症の人は、自分や物事のマイナス面に注目してしまう認知(受け止め方や考え方)の構えに問題がある、いわゆる不安体質になっている。実はそれがあがり症の本当の問題点。その元にある不安感情をなくす方法をメインに紹介。
◎拡大解釈をやめる。
◎思考パターンを変える。
◎表情や態度を変える。
そうやって好感情が生まれたら、あとは異なる場所、異なる人の前で場数をこなす。それによって初めてあがり症から解放されたことになる。ただ場数をこなすだけでは意味がない、というオチ。

教室の終了間際10分強の時間だったが意外に落ち着いてできた。

以下、少しずつ改善できてきたことを列挙する。
◎聞き手と対話するような感覚が身についてきた。
→焦点の合わないアイコンタクトではなく、一歩踏み込んだアイコンタクトを意識。

◎間を意識できるようになってきた。
→TMCの手練れたちの話し方をイメージ。冗語を間にシフトする意識を高めた。

◎100パーセントを伝えようとするのを止めた。
→暗記に頼らずポイントだけは明確に伝えることに意識をチェンジできた。Z徳さんの助言を早速採用。

◎胸を張って話すことを心掛けた。
姿勢を指摘してくれるK口さんの存在が大きい。

次の課題はさらに間の効用を追求すること、動きを出して引きつけること。
他のメンバーが準備をしてこない中、プレゼンの練習を続けられるのは大きい。

2012年6月19日火曜日

TMC_スピーチの構成【備忘】

外は台風の中、TMC二度目の準備スピーチを行った。
プロジェクト内容は「スピーチの構成」である。
前回から一ヶ月ほど空いていた。
この間、足繁くカラオケボックスに通った。
前回同様、原稿を丸暗記するためである
しかし結果は二度、本番で言葉が出てこないで詰まってしまった。
何が起きたのだろう。
検証してみる必要がある。

滑り出しは順調だった。
「今月6月といえば、ジューンブライド」
最初の言葉を発しながら演台の前に歩き出す。
コの字型のテーブル配置で、真横にも人が座っているポジション。

演台の前に出るのはまだ早い、とも思った。
なぜか。緊張の圧力でセリフが飛ぶリスクを感じていた。
一度目の準備スピーチではその状況を恐れて、前に出ないどころか、アイコンタクトさえ意識的にしなかったのだから。
しかし、今回はファイルという小道具を使う必要があった。
そうなると演台の後ろでは明らかに不自然。チャレンジするしかなかった。

一文一文を確かめるように言葉を発する。
「内容を三つにわけて具体的に説明します」
ファイルを取り出し本論に移行する。
ここまでくれば流れでいける気がしていた。

ところが、笑いをとりにいった箇所で、言葉に詰まった。
振り返ると、それは聞き手に問いかけるセリフで、アイコンタクトをした瞬間である。
丸暗記というのは綱渡り意識が高く、違う言葉を探すより思い出すことに賭けた。
沈黙が少しずつ長くなる。聞き手がざわざわし始めた。
賭けは失敗。しょうがなく、セリフをリピートしながら違う言葉を吐いた。

丸暗記は本当に綱渡りだ。
一文を抜かすと、一気に論理的に破綻する可能性がある。
スピーチの瓦解。
それが怖い。そのため思い出すことにこだわってしまった。

そして、次に考えたことはタイムロスだ。
スピーチ全体をギリギリの時間に詰め込んでいた。
焦り、やや早口になる。
段落のあいだに大きな間をとれず、感情の発露だけ、声の強弱だけで抑揚をつける時間が続く。
会話調にならないのは丸暗記の限界だろうか。
ジェスチャーは発言とズレが生じ、効果を失っていたように思う。

本論で三つの内容を紹介する中で、確かにどよめきなどの反応はあった。
「三つにわけて紹介しましたが、さらに何よりお薦めしたい理由があります」
あえて詰め込んだ箇所だけに、説得力を発揮しないといけないところ。
どうだっただろうか。正直、手応えはなかった。

次に私自身にも大きな発見があったという、感情の発露。
声に感情を込めて、意外にうまく表現できたように思う。
ただ、この後にきた結論が淡泊というか、無難なものになってしまった。
結論の弱さは、よくよく指摘されることになる。

あれだけやってもこの程度なのか、という気持ちと、
このスピーチで言葉に詰まったのは貴重な学びだという気持ちと半々。

その後、後者が勝ってTMCのグループメールに改善点を乞うた。
勢い余った個人的なお願いに、七人から七様の意見をくれるのがこの集まりの仲間意識の強さなんだろうな。そして、そのどれもが膝を打つ内容だった。
そのうちまとめようということでとりあえず中途半端に〆。

2012年6月10日日曜日

6月の課題

半年前に自分の話し方の課題の棚卸しをした。
そのときに設定したものは以下のとおり。

①声 ②話術 ③描写 ④メンタル ⑤姿勢 ⑥ロジック ⑦司会 ⑧傾聴 ⑨ユーモア ⑩ボキャブラリ ⑪話材収集 ⑫自己分析

振り返ると、成長を感じるものもあれば、まったく手つかずになっているものもある。
状況や関心もだいぶ変わっている。
ボイトレやTMCに通いはじめた。そしてメンタル、姿勢、傾聴、司会の優先順位が下がった。

6、7、8月の強化テーマはスピーチ、プレゼンでいきたい。
中でも身振り手振りを使い、そのキレを上げることを強化したい。

6月のメイン行事はTMCの準備スピーチ第2回「スピーチの構成」だ。
最重視したい。その都度、今できるベストのスピーチを出すことで成長していくしかない。

それ以外の課題は以下の通り。

◎声
ボイトレの復習を増やす。

◎朗読
太宰治の短篇をメインに毎日少しでも続ける。

◎ボキャブラリ
朗読を利用する。辞典の活用方法を考える。

◎ロジック
シビック教室のプレゼンを利用する。

◎ジェスチャー
両手を使い慣れる。TMC、TED、テレビでの研究。見よう見まねで実践あるのみ。

◎自己分析
準備スピーチを利用する。