2011年12月30日金曜日

12月の課題を振り返って

課題の棚卸しに沿って12月を振り返ってみる。
朱字が当初の目標、黒字が所感である。

①声
舌の体操、外郎売りの暗唱を引き続き日課に。
表現よみと活弁で違う角度からアプローチを試みる。

外郎売りのセリフを完全に記憶して、今や鼻唄がわりになってきた。
これこそ潜在意識を活用するということではないか。
表現よみはいよいよ来年が本番。まずは記号付けを覚えたいところ。
活弁は発声、表現力を磨くための手応えを覚えた。こちらも来年が本番。


②話術@強化月間
本当は嫌だけど小泉進次郎のシャドーイングをしよう。背に腹は変えられない。
まずはとにかく間を意識すること。そして冗語をなくすこと。これまではスピーチ実習で意識しようとしても直前で忘れがちだった。他を差し引いても徹底したい。

東照二と佐藤綾子の著書で、小泉親子、オバマらの選挙演説のスキルを学んだ。
シャドーイングまではできなかったが、やるべきことは整理できてきた。

③描写
いきなり実習で使うというよりは日常会話で習慣化していきたい。
習慣化している人と会って話す。
ト書きに着目してシナリオを読むのもいいかもしれない。人間理解にも繋がる。

意識できていない。

④メンタル
とりあえず関連書籍から独学。この一週間は集中読書。

4冊読んだもののまとめきれていない。

⑤姿勢
週イチの朝活でよぴさんに教えを乞う。教え方が上手いから信じよう。
通勤中は強化タイム。

だいぶ意識できるようになってきた。

⑥ロジック
K口さんの関心事に乗っかってマインドマップを学び直す。
K川さんに相談してみようか。

意識できていない。

⑦司会
今年も忘年会の幹事が多いから実践で意識する。

不発。忘れないうちに4コース後半の講義を血肉化していこう。

⑧傾聴
研究会にちゃんと参加する。
組み替えの訓練をなんとか日常に落とし込みたい。
会話でリピティションを積極的に取り入れる。

足が遠のいてしまった。
お金と時間を捧げる価値を見出していない。

⑨ユーモア
サラリーマン川柳と落語。
とりあえず寄席に行こう。足が遠のいてしまったけど話術の勉強にもなるだろう。

サラ川、落語、すべらない話という三本柱が見つかっただけでもよし。

⑩ボキャブラリ
ことわざと擬音語擬態語。
せっかくブックフェスティバルで買った辞典を活かなきゃ。
できていない。

⑪話材収集
自分なりに手応えのあったスピーチは形にしておきたい。

できていない。

⑫自己分析@強化月間
そういえば人生年表ノートを放りっぱなしにしている。
交流分析は話し方教室の特別講座を活かす。

できていない。スピーチの背骨になるべき根本だという自覚があるから強化月間にしたのに。


【総括】
かように、できているものとできてないものがはっきりしている。
できていないことに手をつけるより、
良くも悪くもできているものをさらに伸ばしたい気持ちが勝った月だった。

特に「声」は成果が見えやすいから勢い余って時間を投入しがち。
でもレベルアップした手応えはある。
何人かに声が大きくなったと言われた。

「話術」は選挙演説の研究から理論はつかめてきた。
忘れないうちにまとめつつ、あとは実践あるのみ。

ボキャブラリ、話材収集、自己分析のようなストックすべきものは、
強い意志がないとやらない。
その意志をいかに持つか、いかに時間を作るかが課題。

2011年12月29日木曜日

「打たれ強さ」の秘密_メモ

プレッシャーに弱いのである。
克服するには、徹底的に準備すればいいことを学んだ。
それによってある程度の成果を得てきた。

ただ次のステージがあるように思うのだ。
付け焼き刃ではない根本を変える方法。

イメージトレーニング、メンタルトレーニングという言葉にはその可能性を感じていた。

考え方のクセを変える。
ポジティブシンキングをベースに無意識のベクトルを変える。

さて、以下『「打たれ強さ」の秘密』岡本正善著(メンタルトレーナー)からのメモ。

メンタルトレーニングでは、新しい力を身につけるわけではなく、自分の中にもともとあった力を引き出すきっかけを作る。別の自分になるのではなく、本来持っている力を、自分らしく発揮できるように。
そのポイントが、潜在能力をどう活用するかである。前向きな人、打たれ強い人というのは、自分の潜在能力をうまく活用し、能力を活き活き発揮できている。

「なぜ○○できないのか」と自分を責める状態から、「どうすれば○○できるか」という状態へと、スイッチを切り換える。適当な目標を設定する。
具体的な目標があることで、潜在能力は自然とその達成するために動き出す。潜在意識が動き出すには、目標を設定し、潜在意識にインプットする作業が必要。

大切なのは人との競争に勝つかどうかではなく、自分のやりたいことが実現できているかどうか。
そして、人からどう思われるかではなく自分がどうしたいのか。「自分がこうしたいんだ」と心から思っていることが大事。

「プレッシャーに潰される」人は、プレッシャーからどう逃げようかと考える。
「自分にはできない」という回路をもとに行動している。結局は、いやな予感の通りに自分で失敗を演じてしまう。

「プレッシャーに勝つ」人というのは、プレッシャーをどう利用しようかと考える。
プレッシャーは自分を育ててくれる、伸ばしてくれるものである。緊張が高まってきたら、その状態を自分のコントロール化に置く。
緊張は自分の力を発揮する第一ステップ。「緊張してはいけない」と自分の状態を否定してはダメ。緊張を否定すると、潜在意識は力が出せない自分のほうを目標だと判断してしまう。
不安を否定せず、その理由をきちんと意識して備えておく。恐れの正体を見極めたほうがいい。

自信とは自分のことをどれだけ信じられるか。
本当の自信とは自分は何ができて、何ができないのか、きちんと理解して受け入れているということ。
いい点を見ないで悪い点ばかり過剰に意識してしまうからリズムが崩れる。まずよくやった点を上げる。褒める。
周囲から見た自分を基準にしない。失敗は他人の目があるときに初めて出てくる言葉。失敗を繰り返すのは他人の目から見た失敗に囚われているから。
土壇場に強い人というのは、あくまでマイペースの緊張。プラスの情報にしてしまう。失敗を利用する。

成功イメージを思い浮かべるだけではダメ。意識ではなく潜在意識に働いてもらうことが必要。
潜在能力を発揮するとは、意識と潜在意識が統合されていること。
実際に経験していなくても、イメージで体験しておくことで、目標に合わせて体が動いていく。

緊張、集中力、リズムの三つをコントロールすることが、力を発揮する前提条件。
潜在能力が動き出すのは、イメージ力、そして適当な目標設定が肝心。
この五つの要が呼吸法。できない自分からできる自分への切り換えスイッチの役目。
それはいつかの機会に。


関連書の多読を進めるうち、ポジティブシンキングの落とし穴もわかった。

「絶対」という思いの強さは、大きなストレスにもなる。不安のほうが実現化する可能性も高い。心の底から強く念じることで、望む現実を引き寄せることはできる。ただ、この方法は意外に難しい。むしろ、成功したときのイメージを数秒だけ思い浮かべる。このイメージを心のどこかに焼き付けて、後は何も考えずにリラックスするほうが、素直に力を発揮できる。意図的な努力を放棄する。
(『メンタル・トレーニング』織田淳太郎著より要約)

2011年12月26日月曜日

最後の三分スピーチ

今年最後の朝礼で三分スピーチが回ってきたことに運命を感じる。
と書いたら大袈裟だろうか。いや、そんなことはない(反語)。

総決算である。

なにしろ一年間、話し方教室に通い続けた。東日本大震災の翌日も誕生日もクリスマスも通った。
話し方を徹底的に学ぶ一年と決めて何よりも教室を優先した。

まわりを驚かせるために。
自信をつかむために。
自分を変えるために。

ドキドキしながら足を運んだ初日は昔日の彼方。本当に長い一年だった。

教室に通いながら気づかなかった自分を発見していった。
コンプレックスであるはずの声を「いい声だ」と褒められる。にわかに信じられなかった。しかし、いろいろなところで繰り返し褒められる。
笑顔の印象がいいと言われる。以前からそう言われることはあった。しかし、それを長所と言える長所だとは受け止めていなかった。

けっしてゼロからのスタートではなかったのだ。

これまでの経験とその醸成。短所ばかりに目が向いていた。自分の長所が、いつの間にか、見えないようになっていた。
新しいことを始めるたびに浮かぶ「もっと早く始めればよかった」という後悔は不思議となかった。これまでの経験があったからこそ、今ココに立っている。


今年最後の三分スピーチにのぞんだ。
準備も入念にした。
一週間前の月曜教室で披露し、昨日の日曜教室で反応を確かめた。
冗長にならないよう、まどろっこしい部分を一切、カットした。

舌の運動、表情筋の運動、腹式呼吸、外郎売り、水分補給……通勤中、朝礼直前にできることはすべてやってスタンバイ。
気楽に行こうよ。年が変わったとしても終わりなき日常は続くよ、という気持ち半分。
そういう余裕を持てること自体も成長だが、それ以上に区切りのスピーチだという意識が強かった。成果を出さないといけない。やってやる。強い意気込みが、所詮スピーチという気楽な心境を上回っていく。絶対に手を抜くな。照れるな。

緊張感を与えない自然な表情、第一声で大きく通る声を出す、冒頭で主題を伝える、ジェスチャーを交える、視線のデリバリー、疑問文の問いかけ、なりきった台詞まわし、ワンセンテンスを短く、レペティション、コンパクトな〆……。

一つ一つのチェックポイントを意識できた。

特に講評されるわけではない。誰かに感想を言われるわけでもない。
ただ、今やれるものを出せた満足感はあった。

以前、友人の結婚式で頼まれてスピーチに立った9月某日。満足感はあったが、ここまで準備をして、この程度しか話せないのか、という思いも一方であった。

厳しく反省すれば、今回もその思いに近くもある。
視線のデリバリーを急ぎすぎたり、細かい表現にこだわり言い直してしまったり、間を活かし切れなかったり、真実味のある心情吐露がなかったり……。

ここまでやって、この程度なのか。
そう考えることもできる。
しかしその繰り返しなのだ。
それでもすべてが糧になっている。

この一年の成果を今の自分として受け止める。
でも、まだまだこれからだよ。

ぼちぼち来年の計画でも立てよう。

新しいスタートに向けて。
「今日という日は残された日々の最初の一日」なのだから。

2011年12月25日日曜日

スロウ・リーディングという果実

『奇跡の教室』を読んだ。
サブタイトルは「エチ先生と『銀の匙』の子どもたち」である。

三年かけて中勘助著『銀の匙』を読むという国語の授業を実践し、神戸の灘高校を現役の東大合格者日本一に導いたという橋本武先生を紹介する内容。聞くところによると何度かテレビ番組で取り上げられたことがあるそうだ。『銀の匙』一語にまで徹底的にこだわり、横道に逸れながら、主人公とシンクロしていく。1ページ進むのに2週間かかることもあるという。

本屋で偶然手にしたこの本の購入は、スロウ・リーディングという言葉がフックになった。
効率重視の速読に魅力を感じてしまう我々だが、その方法で本当に本を血肉化することができるのだろうか?
実感としては否である。

情報を情報としてしか受けとらない上っ面の知識、言葉。

それは自分のスピーチ内容にも当てはまっていないだろうか。
事実の羅列、知識のパッチワーク。真実味がない。軽い。
毎回のスピーチで、主題を掘り下げながら仕上げられていないことに焦燥感がある。
誰でも思い浮かびそうなオチ。

今自分に必要なのは横道に逸れながらもじっくり着実に考える力を養うことではないだろうか。
話し方はその手段になりうる。そう信じている。

話し方を手段にして思考を深めていく、自然を感じ取る力を取り戻していく、事象をトコトン突き詰めていく。
橋本流スロウ・リーディングは、岡倉天心が『茶の本』で茶道を東洋的民主主義の神髄と語るように、オシムがサッカーを人生と語るように、一つのことを突き詰めると思考が本質まで届き、突き抜けることがある、ということを再発見させてくれた。

2011年12月24日土曜日

選挙演説とすべらない話と

選挙演説関連の読書にハマった12月。
理屈を実践に移して血肉化しなければならない。
来年1月、2月は選挙演説とすべらない話をYouTubeで集中的に研究しようと思う。

すべらない話がどこから出てきたかというと、今日たまたまやっていただけ。
直感的にそこに反応したと。
でも直感は大事だよ。
ということで、人志松本のすべらない話の動画アーカイブを見つけましたぞ。
http://youtubeowaraitv.blog32.fc2.com/blog-category-8.html

背に腹はかえられない。
こういう便利さは時代に感謝。

選挙演説とすべらない話と落語。
これらを話術研究の三大コンテンツと位置づける。

2011年12月23日金曜日

小泉進次郎の話す力_メモ2

第一章「小泉進次郎 恐るべき俊才、爆発する演説力のDNA」より。

《聴衆分析》
①「湯布院とかけて、なんと解く?」のブリッジング効果
→ご当地ネタでなんて身近な人なんだろうと思わせる。聞き手との距離を縮める。

⑩「聞き手はどんな人なのか」をよくよく知る
聞き手には聞かない権利がある。聞いてもらうために聴衆の心の傾向をまずつかむ。

④聞き手を自然に主役に変える呼びかけテクニック
巻き込み話法のwe。上から目線ではなく、聞き手を主役に変えて、「一緒に何かをしましょう」という。聞き手を主役にして自分がそのために何かをやらせてもらいたい。疑問形、お願い。

⑦聞き手に選ばせ、決めさせる
複数の選択肢を並べて、その中から一つを聞き手が選択させる。聞き手の「自己決定欲求」を満たす。疑問形。

⑬自分がどこからどう見えるか、よく知っておく

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《コンテンツ》
②下げるだけ下げて、急に持ち上げるコンシート話法
思いがけない例え話をぱっと言い、天と地のように落差をつけて、まったくその逆をつく。上げるだけ上げて急に落とすことも。意外性の効果。
※コンシート話法≒コードスイッチング

③自分で自分の演説を聴く冷静さ
聞き手が自分をどう見ているかを観察、計算して、言い分を自在に変える。自分の長所も短所も知っていて、活用する。
※批判を逆手に取る。オバマ→黒人 進次郎→世襲議員

⑮響きのよい音とリズムで聞き手を引き込む
「連辞(レペティション)」似たような音、似たような意味の単語を次々と並べる。接続詞は省く。
大きな主張をするとき、必ず使われる手法。リズムの小気味よさゆえに話に引き込まれていく。

⑯決め言葉、ワンフレーズで心をつかむ
ゆっくり、はっきり。言葉自体に魅力があって、それが短くて、耳当たりがよくて、聞いてすぐに覚えられる言葉を選ぶ。サウンドバイト。

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《暗記》
⑤具体的な名前と数字をあげて話す
わかりやすい数字の例え話。

⑥あえて原稿を見ず、自信を演出する
原稿を見ずに相手の目を見つけながら、ガンガン自説を展開する。

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《テクニック》
⑧何を言うかより、にこやかな顔で言う
笑いを誘うことで、聞き手に幸福感を与える。ミラー効果。
※ミラー効果≒好意の返報性

⑨左右均等の視線で聴衆を飽きさせない
聞き手を視点によって巻き込む。アイコンタクトには見つめられている時間の長さ、強さ、方向性という要素がある。

⑫野次と拍手には十分な“マ”をおく
どこで拍手が出るのか、笑いが出るのか、原稿に織り込んでいく。質問文体で語った後、相手がほんの少し答えを探り出す時間になる。騒音中は発言しない。暗記のワナ。

==================
《その他》
⑪ネタの変更は、臨機応変自由自在に
暗記のワナ。

⑭人気者の「父」を尊敬し、的確に引用する
親への尊敬や愛情が適切な場面で表現されるのは、いつも聞く人の心を打つ。

自分を下に置くと、早い段階で信頼感を得られる。
ウンチクを披露しない。
かぶせ発言をしない。
何点と予告する。
主張点、決めゼリフを強調する。
人は上機嫌に弱い。

2011年12月20日火曜日

当意即妙と軽口が苦手

当意即妙な話というのがどうにも苦手である。
いわゆる冗談である。

考えるよりも前に出るぐらいが自然だとは思うのだが、
一瞬、反応を予想してから口に出す。
ハズしたらどうしよう、ということを考えてしまうんだろう。
まぁ小心者なんだね。


軽口というのも苦手である。
最近の関心事でいうところのコードスイッチングだろう。

やはり業界の大先輩を前にすると萎縮してしまう。
丁寧語で話しているかぎり、真面目な話に終始してしまう。
自分を売り込もうとしてしまう。
コードがスイッチできない。
話が単調だ。つまらない。予定調和だ。
そんなつもりはなかったのに、結局、それが無難だからなんだと思った。

2011年12月19日月曜日

声の大きさと歯切れのよさ

話し方は声の大きさと歯切れのよさに尽きる。
M先生から言われた何気ない一言は、まるで格言のように妙な説得力があった。
なるほど、確かにこの二つの要素はしっかり鍛えていただいた自覚がある。

M先生の教室ではざっくり5つのカリキュラムで構成されている。

◎プレゼンテーションの練習
◎ボイストレーニング
◎司会練習
◎テキストの講義と実習
◎自由題スピーチ

ボイストレーニングで声の大きさが、司会練習で歯切れのよさが、自然と鍛えられたのだろう。
ほとんど意識はなかったが、愚直にこなしているうち気づいたら身についていた。
ボイストレーニングと司会練習は、筋肉を鍛えるような反復練習である。
こういうのは得意。方法さえわかればガンガンやる。

歯切れなんて意識さえなかった。
司会練習で何度となく、語尾を伸ばすクセを指摘された。
気づかなかったクセだが、口酸っぱく言われるうちに克服できた。

おかげさまで歯切れのいい話し方というものがわかってきた。
そういう意識で、志ん朝なんかを聞き返すと、歯切れのよさだけでも惚れてしまいそうだ。

最近は外郎売りの発声が、この二つの要素を鍛える実践になっていることに気づいた。
今年の下半期の目標の一つとして、外郎売りを暗誦できるようになっている。
年内に50回ぐらいは、来年は1000回でも2000回でも、鼻唄のように諳んじよう。

自分なりには、声の大きさと歯切れのよさは話し方の前提と考えたい。
スタートラインと言ってもいい。
ここに立てたことだけでも話し方教室の収穫だと言える。

2011年12月17日土曜日

あまりにもヒドイ講義

話し方の先生って何だろうなって思いますね。
いや、中には本当にヒドイ講義をするセンセーがいるもんです。

ひょっとしたら講義の練習でもしているつもりなのか。
お金を払って、時間を工面して通っている生徒たちを前にして、講義の練習をしているつもりなのか。

テキストに目を落とし、メモを読んでいるだけ。
それにしたって抑揚をつけるだとか、ポイントのわかる読み方ってものがないだろうか。
あまりにも準備不足!

致命的な憂鬱さを覚えるのは、けっして今日の講義だけじゃないということ。
毎回毎回。いい加減にしてほしい。

話し方教室で、居眠りしている(してしまう!)生徒に対して、どう思っているのか。
あるいは気づいていないのか。
気づいていなくてもまったく不思議ではないほど、生徒と向き合っていない。

一生懸命にテキストを追いかけている人もいるけど、早く終わればいいとあきらめている人もいる。
僕もテキストを追いかけていたけど、もうやめた。
他の教室で同じ内容の講義を受けているからよしとする。

ただ、この教室だけを受講している生徒は本当に悲惨だと思う。
お金払っているのに、先生次第ではこんなにもヒドイ講義を聴かされる。

プロ意識がない。

こうなったらダメ、という典型的な見本。
反面教師にするしかない。
でも、話し方教室にきて、先生の話し方を反面教師にするって切なすぎないか?

講義と実習は二本柱。
その一本があきらかに傾いている。
実習ができるだけよいのだろうか。
欲をかいたらいけないのだろうか。

前向きに捉えられる視点を探していくしかない。

2011年12月14日水曜日

小泉進次郎の話す力_メモ1

聞き手が主役
巻き込み話法のwe
自分を下に置く
具体的な名前と数字
原稿を見ない
自説を展開する
何点と予告する
騒音内では次の言葉を発しない
頭ごなしに否定しない
決めゼリフ
主張点のリピート
聞き手の自己決定欲求
聞き手の心をまず開かせる
疑問形
考えを押しつけない
にこやかな顔、ミラー効果
笑いを誘う

全身を動かし手を振り上げる
目を輝かせる
声のボリュームとスピードに変化
聞き手を飽きさせない

視線のデリバリー
左右が均等
アイコンタクトは時間の長さ、強さ、方向性。
上機嫌モード
聴衆の心の傾向をまずつかむ
聞き手に共感し感謝を示す
ネタの変更
ノイズの間を読む、拍手、問いかけ、質問文体
口輪筋を少し緩めて待つ
レペティション
親への尊敬や愛情
ゆっくりはっきり

サウンドバイト
簡単な単語
間→大事な単語→間
メインフレーズを繰り返す
機会があるごとに
二元重複
史実やことわざの引用
支持材料=演説の主張を支持する
自分をピエロのする
言語補助動作
聞くときはにこやかに、
ワンフレーズが短い、繰り返す、二元重複

巻き込み話法のwe
非言語5つ
ボーカル効果
表情筋の動き、はっきりくっきり口を動かす
アイコンタクト
頭部とアームの動き
爆発と説得で声を組み立てる

2011年12月12日月曜日

成長したいなら準備を!

今日の教室はちぐはぐだった。

プレゼンは用意された原稿が冗長、発声練習はショートカット、司会練習では助言がなく、講義はお勉強的な実践向きでない内容、スピーチでは物理的に一人三度はできるところを無駄に時間を浪費して二度のみ。他のメンバーは一度のみ。

先生どうしたの?と言いたいところだが、何のことはない、我々の準備と積極性が足りない結果だと言える。今の月曜の教室では与えられることに慣れてしまっている。これまでは、その中でも先生が積極性を促すことで成り立っていた。

ただ、今日のように歯車が狂った状況では、受講生の積極性という名の勇気がないと状況を改善できないまま終わることになる。実際そうなった。


3分スピーチでは前回の内容を修正して再挑戦した。
今日の目標は、冗語をなくす、描写に具体性を持たせる、笑いの後に間を入れるだった。

前回のスピーチをテキストに起こして備えたものの、正直、準備不足は否めなかった。もっと早めの準備を!

とにかく成長したいなら準備が必要である。
一度の授業も無駄にしてはいけない。
自戒を込める。

2011年12月11日日曜日

東照二と佐藤綾子

この一週間、東照二と佐藤綾子の著書を集中的に読んでいる。

なぜか?

ようは政治家のスピーチ術に興味が向いているのである。
きっかけは東照二著『選挙演説の言語学』だった。
以前、図書館に朗読関連の本を見に出かけたとき、棚の並びにあって目がとまった。

リピートトークとラポートトーク、コードスイッチングなど、この一年、スピーチを勉強していながら初耳の言葉と理屈に溢れていた。それが非常にしっくりくるのである。

一年間、スピーチを勉強してきたけど、選挙演説はその究極である。

そう気づき、東の他の著書も読みたいと思った。
そうやってAmazonで検索したとき、東の著書とともに出てきたのが佐藤綾子著『小泉進次郎の話す力』である。実は以前、書店で立ち読みして気になっていた本でもある。

この本は東と同じく、実際のスピーチを引用しながら考察している。小泉進次郎自身のスピーチの魅力もあるのだろう。非常に面白く読めたし、小泉進次郎のスピーチは研究するに値するという心持ちで、その後、ユーチューブをチェックするきっかけにもなった。

佐藤のプロフィールを見ると、パフォーマンス学という単語が目に入った。
話術というのはパフォーマンスだよな、という直感。
そんな経緯で東照二と佐藤綾子の著書をAmazonのマーケットプレイスで次々に購入した。

東照二
『選挙演説の言語学』
『オバマの言語感覚―人を動かすことば』
『言語学者が政治家を丸裸にする』

佐藤綾子
『小泉進次郎の話す力』
『人とつきあう自己表現 ─のびやかに生きる』
『人間関係が得意になる本―マンガ パフォーマンス学入門』
『自分をどう表現するか』

この二人の著書、内容の詰まりぐあいは雲泥の差であることを記しておく。
具体的なスピーチを引用しながら、分析していく東照二の手法は読み応えがあり、軸が広く構築的で、分析も鋭い。硬質な文体でありながら、わかりやすさが失われない筆力にも惹かれたのだろう。
一方の佐藤綾子の著書は内容に深みがない。根拠を掘り下げない。とりあえず本の体裁にさえなればいいといった塩梅。読んだ満足感がないのだ。

欲を言えば、小泉進次郎のスピーチを東照二が分析しているという構図がベストなわけだが。

今日は時間がないが、近々この著者たちの弁について要点をまとめていこうと思う。

2011年12月9日金曜日

忘年会の一芸

会社の忘年会で案の定、一芸披露があった。
若い順に一分間。
四番目にまわってきた僕は結局、スピーチ。
いい話だと言ってもらっても何かもの足りない。
つまるところ、一瞬にして場を盛り上げるのにスピーチは向かないということだ。

ボイスパーカッションでもできたらね。
ボイパ、やってみるか。

2011年12月6日火曜日

安心感につなげる

仕事が立て込み余裕がなくなってきた。
余裕がなくなると、言動、行動に影響が出てくる。
早口になり早足になる、焦る。
焦りが出てくるとまわりを不安にさせる。
不安は伝染する。殺伐とする。

自分から不安の元を出さず、人の不安は自分が止める意識。
チームワークを高める意識を持ち、そのために自分に何ができるかを考える。
ただし、社長や上司に対する得点稼ぎを意識した行動、言動はしない。
日々精進。まぁ気楽にやろうぜ。
アー・ユー・レディ?

▼原則
◎目の前の問題を誰かに投げることなく、毅然と対峙する。

▼メンタル
◎自分を客観的に見る。

▼行動
◎呼吸を深くする。
◎口角を上げる。
◎社内で走らない。
◎話しかけられたら体を向けて聞く。
◎まわりに余裕がないときは話しかける。
◎一息つくときにネットサーフィンをしない。

▼言動
◎相手の目を見て落ち着いて話す。
◎人のせいにしない。
◎独り言を言わない。

2011年12月5日月曜日

話し合いの司会分析

話し合いの司会分析
本日の実習は「何のために話し方を学ぶのか」というお題での話し合いだった。
出し抜けに司会を仰せつかったが躊躇なく前に出られたのは成長だろう。

参加者は自分を含めて6名。15分という短い時間だったが、先日講義を受けた「話し合いの司会者」に照らして何ができて、何ができなかったかを見ていこうと思う。

まずは手順について。
▼テーマとする範囲を確定したか?
◎時間の制約を伝えていない。あらかじめ15分間とのアナウンスがあったので再度確認することをしなかった。
◎前提条件も伝えられなかった。この場合はどうなるだろう。HRで学んできたことを再確認の意味でも伝えればよかった。
◎思い切って、当初の受講理由と、今の認識が変わったかどうかを聞けばよかった。提案ですが、と同意を得つつ。それぞれが自身の気持ちの変化を再発見できて有意義だったのではないか。

▼現状を把握、分析し問題点を出したか?
◎5コースすべてを受けている人はいないというのが現状把握、自分の回答として、当初の話術を磨きたいという気持ちから、教室に通っているうちに人間理解の必要性も視野に入ってきたことを伝えた。問題提起としては弱かった。もっと強調すればよかった。

▼さまざまな解決案を出したか?
◎この話し合いの場合、解決案云々のお題ではない。時間の制約もあり、それぞれがどのように考えているかを共有するのがベターだと考えた。先生の助け舟もあり、最初の意見が出た後、そのように進めることに切り替えた。

▼最善の解決案を選んだか?
◎個々人の問題のため、共通した最善の解決案というのはないという結論。無難。考えを深めれば、何かしら問題提起できたかもしれない。

▼解決案を実施する具体的方法を決めたか?
◎同上。

次に司会者の心構えについて。
▼目的を最後まで達成したか?
◎話が脱線しそうになったとき、「何のために話し方を学ぶのか」というお題を繰り返した。

▼視野を広くし、公平に進行したか?
◎時間内にランダムに一通りの意見を聞いた。

▼前向きの気持ちで明るく進行したか?
間違いなく前向きではあった。発言者を意識しながら出た意見のポイントでまとめて、自然な流れで繋げようとした。

次に司会者の事前準備について。
▼話し合いの目的を熟知しておいたか?
▼問題に関する情報を多面的に調べたか?
▼参加者の立場、意見などを調べておいたか?
以上は、突然の指名だったためできなかった。事前に実習を見てイメージを膨らませば、司会をやるという状況を察知できたかもしれない。

最後に司会の進行について。
【討議への導入をする】
▼発言しやすい雰囲気を作ったか?
◎そつなく淡々と入ってしまった。

▼議題を解説し、背景を明確にしたか?
◎お題の意図を自分なりに解釈して伝えればよかった。
◎一人の発言が長くなりすぎないように釘を刺したほうがよかったかも。
◎誰かに記録係をお願いする頭は一切なかった。実際やらないまでも場合によってはという意識は持っておいたほうがよいだろう。

【発言を引き出す】
▼全員に発言を求めたか?
◎全員に一度ずつ意見を求めた。先生の助け舟でランダムに行った。

▼質問によって情報・意見の交換を促したか?
◎冒頭では積極的な意見を求めた。意見が出ないからランダムに当てていくという流れはスムーズだった。
◎時間を意識して意見交換のために当てることはしなかった。ただ、発言に対して自分から感想を投げかけることで、それが結果的に何度かの意見交換を促すことに繋がった。
◎参加者に「こういうことは考えられませんか?」という訊き方はできなかった。

▼少数意見を無視しなかったか?
◎Y本さんの「話し方が上手くなりたい」というストレートな意見に対して共感を示した。

【発言を調整する】
▼発言の独占、重複、脱線をおさえたか?
◎脱線もあったがある程度まで話させた上で、お礼を述べて元に戻した。

▼発言の補助または促進をしたか?
◎意見をパラフレイズしてまとめた。

【論点をまとめる】
▼司会者の私見を控え客観的にまとめたか?
◎今まで出た意見を参加者に確認することはサボってしまった。
◎今まで出た意見のまとめもしていない。

▼一致点と不一致点を整理してはっきりさせたか?
◎一致点を探すことをサボってしまった。
◎不一致点はなかった。

▼対立点は論拠やデータを求め比較させたか?
◎対立点なし。

【結論に導く】
▼議論を整理し、一致点と不一致点を確認したか?
◎十人十色の意見があるという抽象的な整理でまとめた。

▼必要に応じて採決で決定したか?
◎その必要がないお題。

【決定事項を確認し、協力に謝意を述べる】
◎Y本さんの意見を引用して、個々人にとっていろいろな意見があるとまとめた。
◎ご協力に謝意を述べた。

うわ、なんか長くなってしまった。

その他よかったと思うことは。
◎◎声が安定して落ち着いて進行できた。
◎意見に対して共感する部分を探すよう努めた。

2011年12月4日日曜日

活弁で感情表現を鍛えたい

今日は活弁ワークショップに出かけた。
講師名はあえて伏せる。
ところで活弁をご存じだろうか。『日本大百科全書』による解説はこの通り。

活動写真弁士の略称。映画の旧名称である活動写真の説明者をいう。サイレント映画時代、スクリーンの傍らで映画の解説、登場人物の台詞(せりふ)、情景の説明などを行うのを職業とした芸人。……。

弁士になって発表することを目指すのがこのワークショップの目的のようだ。
今回のイベントはインターネットで検索して知った。
参加を決めたのは直感であり、スピーチ武者修行の一環と考えたからである。
つまり、自分の話し方の弱点を克服することに繋がるかどうか。関心事はそれに尽きる。
具体的には、第一に声の感情表現力アップ、第二に声量、質のアップを期待していた。
第三以降では、あがり症対策、度胸づけ、というのも当てはまるだろう。

内容は、前半が声のワークショップ、後半が活弁の実践ワークショップである。
それぞれを一時間ずつ。

前半の声のワークショップでは、発声がメイン。
発声訓練をしながらの先生からアドバイスを箇条書きにすると以下の通りだ。

◎足の親指に力を入れて重心を下げる。
◎目を閉じてどんどん下がっていくことをイメージする。思うだけでいい。
◎肩に力を入れない。「あー」のときも手をぶらぶらできるほど。
◎「あー」声をまっすぐ前に飛ばすことを常に意識する。
◎「あー」声を張るときは45度上、三階席に飛ばすイメージ。
◎「あー」低い声は重心といっしょに声を落とすイメージ
◎「あー」高い声は天井を突き抜けるイメージ。

指示が具体的である。声の高低というバリエーションを行うのは新鮮だった。声を出す際にイメージを大事にすることがよくわかる。特に、未だに話を聞き返される自分としては、「声をまっすぐ前に飛ばすことを常に意識する」というアドバイスは示唆的だった。

この後は早口言葉や口上などを織り交ぜ、少しずつ声に感情をつけていくようなレッスンが増えていく。声を出すだけなら誤魔化しながら着いていけたが、感情をつけてとなるとかなり戸惑った。声を押さえつけて、と言われてお手上げである。方法がわからない。


後半の活弁のワークショップでは「チャップリンの番頭」と「国定忠治」に参加者たちが声を当てた。
一人一人スクリーンの横に立ち、「映像、スターット」という一声を皮切りにする。
一人が声色で演じ分けるのは落語のようだ。特にチャップリンの方はコミカルでリズムがいい。時折、受講生の間から笑いが起きる。自分もクスクス笑いながら見入ってしまった。

活弁については今回、見学だけだったが、声の感情表現力のアップという意味でこういう楽しみながらの鍛え方もよいなと思った。先生も熱心で頼りがいがある。声の表現に幅を持たせる訓練になるのは確かだろう。今のところ、来年から月イチ通ってみようか、という気になっている。

また今日も「声はいいね」と褒めていただいた。そろそろ声には自信を持っていいかな。

2011年12月3日土曜日

表現よみの衝撃は想像以上

冷たい雨の降る中、表現よみフェスティバルに参加するため獨協大学まで出かけた。
http://www.ne.jp/asahi/kotoba/tomo/kotoba/festival.htm

内容は以下のような三部構成。
第1部◎講演「朗読から表現よみへの発展」スピーカーは渡辺知明氏
第2部◎麻生子八咫氏の活弁指導
第3部◎記号づけの実習。テキストは「銀河鉄道の夜」

「話のすべてが腑に落ちた!」
帰り道、同行してくれたK口さんは抑えがたい高揚感の中で表現よみの理論をそう絶賛した。
弾むような軽い足取り。饒舌と放心。このイベントに誘ったことを何度も何度も感謝された。

K口さんは朗読未経験の僕に、朗読検定4級の受講をゴリ押ししてくれた。いや、背中を押してくれた、か。稀有な人である。
そして、しぶしぶ朗読検定を受けた縁が巡り巡って、今回のイベントを知ることになった。
出会いが出合いを呼び、出合いが出会いを呼ぶ。この好循環、大切にしなきゃ。

で、表現よみである。
朗読経験者の小口さんにとって有意義だったように、朗読初心者の僕にとってもやはり想像以上の収穫だった。やはりベースになる、信じるべき理論があると違う。守破離でいう守。
表現よみの理論に精通することで、これまでの僕の朗読に対する心許ないアプローチを、補正、補強するどころか、根本から作り直してくれる、そんな予感がしている。

特に記号づけという、原稿のアクセントや強い声の記号をつけていく作業を体験できたのは大きい。朗読のテキストをまるで楽譜のように仕上げていく方法論である。グループに分かれて、『銀河鉄道の夜』に記号を書き込み、朗読を練習し、最後は前に出て発表する。記号に導かれて、安心感をもってスムーズに読めた。

きっと朗読検定で朗読の録音をしたときも、この方法を知っていたらもっと違った内容になっていたのではないか。いや、できたなかったからこそ、検索してたどり着いたのか。

偶然とはいえ、朗読検定から検索をかけて渡辺知明さんの存在を知った。これが大収穫だった。渡辺さんは表現よみの理論的支柱とも言える指導者である。表現よみは頭でっかちの理屈ではなく、渡辺さん自身の体験を通してさらに練り上げた方法論であることが心強い。

以来、渡辺知明さんのYouTubeやPDF化された著書をむさぼり見ていたが、再度、目を通す価値はあるだろう。今日は聴講した具体的なメソッドを書くよりも、まずはこの高揚感に浸っていたい。

2011年12月1日木曜日

座学で認識のズレを知る

今日の朝活は生憎の雨で座学になった。
よぴ先生の指示のもと、これまで姿勢矯正の二度の講義と実習を受けて、日常的に歩くとき気をつけるようになったことを書き出した。

○胸を張る。
○踏み出したときに後ろ足のかかとを上げる。
○ふくらはぎ
○視線
○まっすぐ歩く。前から来る人をどうかわすか

間違いはないそうだ。ところが、なぜそうするのかという認識がズレている、ということが一つずつを見ていくうちに明らかになった。

▼胸の張る
ただ胸を張るというのは、不自然に姿勢を正している人の典型らしい。
骨盤を使うためのエクササイズを教えてもらったが、このメソッドはまさに骨盤の使い方がコツ。ただ胸を張るだけでなく、お尻を突き出して、骨盤が斜め前になるような姿勢をキープする必要がある。

▼踏み出したときに後ろ足のかかとを上げる。
かかとを上げるというより、つま先(フォアフット)で地面を踏みしめるイメージ。その反作用で体が持ち上がる。同じ動作だが、意識の違いがキモである。

○ふくらはぎ
地面を踏みしめる際、ふくらはぎの筋肉を使う。ふくらはぎがうまく使えると、代謝がよくなる。

○視線
まっすぐ歩く先を見る。

○まっすぐ歩く。前から来る人をどうかわすか
これはまぁ置いておいて。

座学、侮るべからず。
このシンプルな復習方法は、どういう理屈で実践したらいいか、認識のズレを学ぶのにぴったりだった。
本当は自動筆記でもっと無意識の状態で書き出し、意識のクセを出してみるとよいのだろう。
話し方のスピーチ実習でも応用できそうだな。

2011年11月30日水曜日

課題の棚卸し_12月に向けて

ついに明日から12月。
世間的には仕事の総決算だが、自分にとっては話し方の総決算の月だ。
話し方教室に通い始めたのは今年の一月。仕事で部署が異動になり、時間に余裕ができた今だからこそ、とりあえず「一年頑張ろう」と考えた。
続くとは思っていた。なにしろ切実だったから。教室で仲間たちに出会えたのもモチベーションになったのだろう。

話力を高めるための知識と場数を得たことで心に余裕ができたのが大きい。どんな状況にもなんとかなるだろうと思えるようになった。つまるところ人前に出たくないな、話したくないな、というネガティブな感情が湧かなくなった。
成長するために何をすればいいのか、話し方の基本と学び方がわかったのは本当に大きい。
しかし、だからと言って、これでよしとするレベルではない。

一年より二年、二年より三年、やればやるほど成長できるという手応えを得た。
今後いつ仕事が忙しくなるかわからないが、やはり、この一年は通過点と考えたい。

ということで一年の総括もするつもりだけど、まずは12月に向けて話し方の課題を整理してみようと思う。着実に訓練していくべきポイントは、声、話術、描写、メンタル、姿勢、ロジック、司会、傾聴、ユーモア、ボキャブラリ、話材収集、自己分析……。

出揃ったのは12項目。順番に点検していく。

①声
舌の体操、外郎売りの暗唱を引き続き日課に。
表現よみと活弁で違う角度からアプローチを試みる。

②話術@強化月間
本当は嫌だけど小泉進次郎のシャドーイングをしよう。背に腹は変えられない。
まずはとにかく間を意識すること。そして冗語をなくすこと。これまではスピーチ実習で意識しようとしても直前で忘れがちだった。他を差し引いても徹底したい。

③描写
いきなり実習で使うというよりは日常会話で習慣化していきたい。
習慣化している人と会って話す。
ト書きに着目してシナリオを読むのもいいかもしれない。人間理解にも繋がる。

④メンタル
とりあえず関連書籍から独学。この一週間は集中読書。

⑤姿勢
週イチの朝活でよぴさんに教えを乞う。教え方が上手いから信じよう。
通勤中は強化タイム。

⑥ロジック
K口さんの関心事に乗っかってマインドマップを学び直す。
K川さんに相談してみようか。

⑦司会
今年も忘年会の幹事が多いから実践で意識する。

⑧傾聴
研究会にちゃんと参加する。
組み替えの訓練をなんとか日常に落とし込みたい。
会話でリピティションを積極的に取り入れる。

⑨ユーモア
サラリーマン川柳と落語。
とりあえず寄席に行こう。足が遠のいてしまったけど話術の勉強にもなるだろう。

⑩ボキャブラリ
ことわざと擬音語擬態語。
せっかくブックフェスティバルで買った辞典を活かなきゃ。

⑪話材収集
自分なりに手応えのあったスピーチは形にしておきたい。

⑫自己分析@強化月間
そういえば人生年表ノートを放りっぱなしにしている。
交流分析は話し方教室の特別講座を活かす。

その他にも、意外に基本がおざなりになっている電話応対、
企画書やビジュアルイメージを絡めたプレゼン、
洞察力を高めるために、情報リテラシー、人間理解も今後ポイントに加えていきたい。

2011年11月29日火曜日

声は鍛えがいがある

「声がいいですね」と褒められることが増えてきた。
素直に喜ぶべきだが、ほとんど話し方教室の受講生からというのは気になるところ……。
皆さん、褒めるの上手いからね。
とはいえ、自分でもその実感はあるのだ。

舌の体操を習慣化したこと、外郎売りを暗記したことの成果だと思う。
特にスピーチ実習では意識せずとも通る声が出るようになった。

会話レベルでは、まだ聞き返されることがある。
油断してしまうのだろうが、これはがっかりする。
冷や水をかけられるような気分になる。
いかんいかんと思うのだが、まだ意識しないかぎり難しい。
無意識レベルで変えられるようにクセづけなければ。

周りに聞こえないようにという、気配りなのか、恥ずかしいだけなのか、その意識も返って邪魔をしているだろう。カフェや電車内なんかで、大声で話しているおじさんのデリカシーのなさがうらやましい、本当に。

ともあれ声を鍛えるのは、筋肉を鍛えるような単純作業の繰り返しという部分がある。
訓練すればするほど成長できる。成長が実感できるというのはうれしいもので、ある程度出るようになればいい思っていたのに、どこまでやれるか試してみたいと考えている今。
他の課題も山積なのにね。

今週末は表現よみフェスティバル、活弁ワークショップに参加する。

2011年11月28日月曜日

なんてアサーティブ

コールドプレイ、演奏を中断してタンバリンを振っていたファンに「やめてほしい」と注意
シネマトゥデイ 11月28日(月)10時36分配信

英ザ・サン紙によると、コールドプレイが「The Scientist」を演奏していたところ、クリス・マーティンが歌を歌うのを突然やめ、ファンに声をかけた。「無礼な態度を取るつもりはないが、これはタンバリンを使うような曲じゃないんだ。正直言うと、この曲のレコーディング時にはタンバリンも試したけどボツになった。だからタンバリンなしで10年以上演奏をしてきた。合うかもしれないけど、僕はタンバリンなしに慣れてしまっている。悪く思わないでほしい」とステージからファンにやめてくれるよう呼びかけた。

WENNによるとタンバリンを振っていたのは女性だったとのこと。「ここから君がどんな人かは見えないけど、とても素敵な人で、いい音を出していると思う。別にタンバリンが嫌いとかアンチ・タンバリンを訴えようとしているわけじゃない。タンバリンは僕のお気に入りの楽器のひとつだ」とクリスは彼女の気持ちを傷つけないよう、優しくタンバリンの伴奏をやめてくれとお願いしたあと、「次の曲はタンバリンにばっちりの曲だから、思いっきり盛り上がってくれ」と付け加えたという。(澤田理沙)


アサーティブとは、自分も相手も大切にした自己表現だが、このニュースはまさにその見本のようなケースである。
僕はこういう状況で自分の意見を通すことができない。
相手に不快な思いをさせてしまうと思い、じゃあ言わずに我慢すればいいやと考えてしまう。
嫌われたくないという心理が働くのだろう。
でも、こんなふうに言われたら相手も大切にされたという気持ちを持つよね。

2011年11月27日日曜日

態度は意外な落とし穴

今日の教室では話をするときの態度の重要性を学んだ。
人のスピーチや、日常での何気ないやりとりの中で、態度が落とし穴になって印象を悪くしていると気づくことが意外に多い。まばたきの多さ、体の揺れ、ゴミ箱を足でどける、電話の受話器をガシャンと置く……。
かくいう自分はどうなのだろうか。もし当てはまることがあるとしても、特に会社では誰も指摘してくれないだろうな。そう考えると怖いが、自分で気をつけるしかない。

なぜ態度が重要なのか? このような話で定番の根拠は「メラビアンの法則」だろう。これは、初対面のときにその人の印象を決定づける要素を分析したもので、以下のような分析結果が出ている。
見た目などの視覚情報…55%
声や口調などの聴覚情報…38%
話の内容などの言語情報…7%

つまりは言語以外の部分が9割以上。そこにヒントを得た名前の本も出ている。
では、嫌な態度とはどんなものだろうか? 講義では以下のような
①威張った態度
②卑屈な態度
③馴れ馴れしい態度
④相手を無視した態度
⑤投げやりな態度
⑥場に合わない態度

中でも④相手を無視した態度が一番腹立たしいと先生はおっしゃっていたが、実感でもその通り。
人の振り見て我が振り直せ、と自戒をこめたい。

▼本日の学び
◎実習スピーチは、オチより主題に重きを置かないと積み上げがない。
◎できあがったスピーチ自体からさらに何を学び取れるか、という作業が主題を深める。(U田さん)
◎リポートトークと早口と間がないことはセットかも。

2011年11月26日土曜日

即題:春の思い出

今日の話し方教室は即題のことを書いておこう。
即題とは文字通り、その場でお題を与えられて即興でスピーチをする訓練を指す。

今回、僕に与えられたテーマは春の思い出。
いつもより考え込んでしまった。
浮かんでは消し、浮かんでは消し、オチがつくものがなかなか浮かばない。
30秒ほどその場でウンウン悩んだ挙げ句、出てきたのは大学の卒業式のことだった。

皆さん、改めましてこんにちは。○○です。
大学の卒業式のことです。私は○○の部活と、あと○○研究会というサークルに入っていまして、その後輩がお祝いに花束を持ってきてくれました。
で、私の人生の中で花束をもらうなんてことは初めてだったので、あのー、非常にこううれしかったんですね。で、それぞれのサークルから花束いただきまして、花を抱えながらゼミの同期に「それどうしたの?」って言われて、「いやー、後輩が持ってきてくれてさ」って別にいいのにっていうニュアンスで伝えたんですけど、でも本当、心の中ではものすごくうれしくて、あのー、本当、みんなに見せびらかしながら帰りたいぐらいうれしかったんですけど。まぁそれで帰る段になりまして、電車に乗って家に向かうとなったときにですね、その花束を忘れてきてしまったんですね、電車の中に。で、それ気づいたときは本当に心臓がバクバクしまして、もうすぐに電話して、それで「ここに忘れ物が溜まっているから取りに行ってください」というふうに言われて、それで取りに行ったんです。それで実際そこの係の人に言いまして、そこに連れて行かれましたら、花束がすごいたくさんあるんです。
であのー、自分がもらった花束がどれかわからなかったんです。それであのー、記憶に残っていたたぶんそうだろうというものを持って帰ったんですけど、今でもそれが本物だったのか自信がありません。以上、春の思い出でした。ありがとうございました。(2分8秒)

こうテープを起こしてみると、つたないなぁと思う。
主題がない。オチのあるドジなエピソードを話した、というところか。
まぁでも即題だから及第点。

スピーチの四条件は以下の通り。
①主題が明確であること
②例(例話)が鮮明に印象づけられること
③構成がしっかりしていること
④主題に深みがあること

オチより主題と、主題の深めに考えを向けるべきだったかもしれない。
浮かれすぎてはダメ。物より気持ちが大事(屁理屈)。もらってうれしかったくせに、その花束を思い出せないという矛盾に人間のおかしみを感じてもらう。……。

▼メモ
◎出だしは、朗読検定の課題だった『杜子春』の冒頭「ある春の日暮れです。」に似ていた。無意識に活かせたのだろうか。スムーズに入れた。
◎描写が足りない。ゆえにジェスチャーも少なく臨場感がない。
◎花束に色を加えるとイメージがさらに広がったかも。
◎笑いがとれた直後は間を入れるべきだった。

▼本日の学び
◎S藤さんの即題:年末の思い出より。「一度だけ、家族と年末を過ごさなかった年があった」というドラマ性を感じる切り出しが興味を引く。その後に続く、その年はこうこうこうする予定だった。ところが……。「ところが」が効いている。失敗談を語るフレームとして参考にできる。寂しい曲(オフコース「さよなら」)が流れていたというオチも秀逸。泣きっ面に蜂だけど、悲壮感がないどころか、むしろ楽しい思い出を聞いたように受けとれたのは、S藤さんの明るさがなせるワザ。

2011年11月25日金曜日

口調の大切さ

話し方教室で10分スピーチがあった。
初めての体験だった。
普段は3分。

このいつもの三倍強のスピーチ体験で気づいたのは、口調の大切さである。
終始、淡泊でフラットな調子になってしまったのだ。ただ話しているだけの、型通りの口調。守りの口調と言っていいかもしれない。自分としか向き合っていない。これでは聞き手を置き去りにしてしまう。

大きな理由は準備不足だろう。話す内容を自分の中に落とし込めず、それを悟られないよう無難にこなそうという保身が働いていたように思う。
もちろん話材に対する関心で引っ張れる部分もあるだろうが、他の受講生には口調で飽きさせないところがあった。準備不足でも、話し方によって楽しませることができるということに気づいた。

切り出しの調子が尾を引くということもよくわかった。低いトーンで入ってしまい、それが表情を固くしたのか、場に少し緊張感をもたらしてしまった。時間が長いぶん、徐々にテンションを上げて立て直すこともできるのだろうが、今回は話す内容を追うのに精一杯。そこに意識が及ばなかった。

気を込めることをもっと意識する必要があるかもしれない。
気合いで口調がどうにかなるかも、実験してみたいところだ。

ちなみに話題は、夏に通った「傾聴」を学ぶ講座について。
傾聴とは何か?に始まり、受講のきっかけ、具体的な傾聴スキルの一例としてリピティション(繰り返し)、傾聴を学べる本『ピア・カウンセリング』の紹介という流れで話した。

スピーチ後のいくつか質問で、狙い通り、興味を持っていただけたことがわかった。
話材としてあっていただけに、もっと心をつかむスピーチにする方法はあっただろう。

▼本日の学び
会場の一人一人に語りかけるように話す(A瀬さん)
その話題で不快になるかもしれない人への気配り、お断り(A瀬さん)
普段見落としていることへの眼差し(K見さん)
常識を揺さぶる話材の意外性(Y部さん)
恥ずかしい失敗談を披露する勇気(O村さん)
江戸っ子らしい小気味いい口調(I原さん)
滑らかなジェスチャー(I原さん)

2011年11月22日火曜日

あがりとあがり症について

前回紹介した、新田祥子さんのYouTubeの中身を簡単にまとめてみた。

◎あがりとは何か?
他者からの評価に対する脳の防衛反応(本能)。私たちがあがりを認識するのはドキドキ、声の震え、発汗、体の震えなどが他人に見えているのではないかという意識が働いている。つまり、他者からの評価を恐れている。内的反応であり、他人に見えないのに、見えていると思い込んでいる。あがっていると思われているのではないか。他人の評価を気にしながら何を守っているのか。それは自尊心である。
他者からの評価を気にして自己否定し、自尊心を守るために自己肯定しようとしている。自己否定しながら自己肯定しようとする内部葛藤が起きている。自分に過注目してますますあがる。ますます自信がないという状況が作られ、自意識が敏感になる。悪循環が形成される。

◎あがり症とは何か?
脳の条件反射。人前で話すことを想像するだけで身体症状が出てしまう。

◎あがり症の克服とは? 
条件反射を遮断しない限り、どんなに場数を踏んでもあがり症克服のスタートラインには立てない。あがり症が脳の問題であることを理解して実践しなければならない。ドキドキしながらの場数はドキドキして話している記憶の上書きしかできず意味がない。学習とは記憶の上書きである。あがらない記憶を脳に学習させてから、ドキドキせずに話す場数を増やす。
つまり、あがらない脳をいかにマネジメントするかを考えるべきである。脳をいかに安心感で満たすか。それがあがり症克服のゴール。脳内に不安感情を記憶しない。不安感情の強さが心臓をドキドキさせる。極度の恐怖心で身体症状が出てしまう。あがり症の克服とはいかなる場所でもドキドキせずに話せること。例えば、3日後にスピーチがあると予期したときにドキドキなどの身体反応が出ない。条件反射を遮断して、新たなあがりを作らないことが必要である。
理論+実践で脳を安心感で満たす。それによってあがり症を克服できる、というのが新田祥子さんの考え方。

新田祥子ブログ:セルフコンフィデンス
http://gomari.cocolog-nifty.com/selfconfidence/

2011年11月20日日曜日

あがり症は場数じゃ治らない

自分があがり症であることをはっきり意識したのは話し方教室に通ってからだった。

同じ時期に話し方教室に通い始めたK川さんは、年齢も出身県も同じ、性格や関心事も似ているなど何かと共通点が多い仲間である。(同じ日にNew Balanceのまったく同じ靴を履いてきたときは心底ビビった)

そのK川さんは、教室での自己紹介で入会したきっかけを、あがり症を克服するためだと語った。

あ、自分もそうだ。

僕がこの教室に参加したのはなぜだろう? そうあらためて考えたとき、会社の朝礼で3分スピーチが始まっただとか、営業の仕事に活かしたいだとか、さまざまな理由が浮かんだ。確かにそうなのである。ただ、果たしてそれが切実な理由だろうか? 今思えば、どこかで体裁よく取り繕うとしている自分がいたのではないかと思う。

やはり根本にあるのはあがり症だろう。この厄介者と30年以上も付き合っているのだ。そうタイピングしている間にも、過去の数々の失敗談が顔を覗かせようとする。

なぜ素直に「あがり症を克服する」という理由が浮かばなかったのだろうか。やはり、あがり症を人に見せがたい弱味と感じて、格好をつけている自分がいるのではないか。
K川さんの何気ない自己紹介は、自分と向き合う覚悟の必要性を気づかせてくれた。もっと自分をさらけ出していかねば。

さて、そのKさんがいい本を読んだ、と言って教えてくれたのが新田祥子さんである。
新田さんは、セルフコンフィデンスというコミュニケーションスクールを主催しているあがり症克服のエキスパートだ。

あがり症に関する著書も多く、その中で、あがり症はけっして場数だけで克服できないと言い切っている。あがり症の理由は脳の条件反射であり、あがった状態で場数をこなしても学習効果がないに等しいとのこと。これは話し方教室に通い、場数に突破口を見出そうとした自分にとっても、耳を傾けなければならない指摘である。

そんな新田さんのブログをチェックしていたら、あがり症克服講座の様子として、あがり症の解説がアップされていた。明日以降、ここからあがり症克服のエッセンスを学んでいこうと思う。

◎「あがりは脳の問題である」について解説
http://www.youtube.com/watch?v=lTtw9NQMhgM

◎「あがり症のメカニズムと対処法」について解説
http://www.youtube.com/watch?v=WN45uzypJs4

◎「話し方とは何か」について解説
http://www.youtube.com/watch?v=XD7JM-AK6Qk

2011年11月19日土曜日

このあまりの棒読みぶり

朗読検定の課題を〆切ギリギリで提出した。
いや、本当に、もう、ダメっす……。
ICレコーダーに録音した自分の声を聴き、あまりの棒読みぶりに身悶えしながら、〆切ゆえに腹をくくらざるを得なかった。

杜子春の冒頭。
録音時間にして一分強の朗読課題。

検定を受けることで自分を追い込んだ。シロウトなりに朗読の上達法を学ぼうとするだろうという皮算用。
ならば、結果よりも過程が大事なはずだが、結局、ギリギリまで向き合うことができなかった。もっと早くから取り組んでおけば、と後悔するのは、何度となく繰り返しているが、それ自体も今後の課題だろう。

朗読に興味を持ったのは、自分の話し言葉に感情がこもっていないように感じていたからである。

棒読み。

話し方教室で3分スピーチの実習をしていても、話そうとする内容の記憶をたどるだけの棒読みになっている自覚がある。特に思い出しながら話すという状況ではフラットな口調になりがちである。声の抑揚、間に意識がいかない。聞き手に感情を伝えられていないように思う。

あがりや緊張、それに話材だって関係あるだろう。準備不足と言われればそれまでだが、表現というアプローチから打開できないかと考えたのだ。

話し方に表現力をつけたい。
朗読にはもう少し気を入れて向き合ってみようと思う。
そう考えると朗読検定の失敗で凹んでいる場合じゃないか。
成長のきっかけにしなくては。

2011年11月18日金曜日

重い腰をあげて

昨年末から会社で3分スピーチが始まった。
毎週一人ずつ月曜日の朝礼後に行われる。4-5ヶ月に一度当番が回ってくる。

どこで影響されてきたのか、社長のいつもの気まぐれである。
いや、意図も目標も示されないので、気まぐれに映るのだ。
何のためにやるのかだけでも説明しようよ、なんて言えないけどさ。

人前で話すのが大の苦手だった。
そのくせ学生の頃から人前に出るのが多い役まわりだった。
どうやって話していたのだろう。
大勢を前にして自分の話し方に意識がいく余裕はとてもない。
伝えるべきことを過不足なく伝えるだけで精一杯。
震える膝、全身が心臓になったように鼓動が高鳴る。
緊張が緊張を生み、あっという間に全身の血液を駆けまわる。
視線が定まらない。頭がぽーっとなる。
何度も恥をかき、うまくいかないことに苛立ちながら、何の対策もしてこなかった。

場数がもたらしたのは、洗練ではなく、苦手意識だけだった、と感じる。
貴重な体験から何も得てこなかった。
向き合ってこなかったのだから当然といえば当然。
体が成長いくように、話し方も自然と身につくものだと思い込んでいた。
そうではなかった。
目をそらしたまま、随分、遠くまできてしまった。

会社の3分スピーチがきっかけなのか、自分でもよくわからない。
昨年末、気がつけばウェブで話し方教室を検索していた。

話の苦手な自分を受け入れて、真剣に話し方と向き合おう。
重い腰をあげて10ヶ月が経つ。
人前で話すのはまだ苦手である。
ただ、そのことから逃げなくなった今、意識は着実に変わった。
 

毎週、スピーチに苦戦する同僚を見ながら、
出番にはみんなを驚かせたい、と思う自分に気づくほどに。