2011年12月4日日曜日

活弁で感情表現を鍛えたい

今日は活弁ワークショップに出かけた。
講師名はあえて伏せる。
ところで活弁をご存じだろうか。『日本大百科全書』による解説はこの通り。

活動写真弁士の略称。映画の旧名称である活動写真の説明者をいう。サイレント映画時代、スクリーンの傍らで映画の解説、登場人物の台詞(せりふ)、情景の説明などを行うのを職業とした芸人。……。

弁士になって発表することを目指すのがこのワークショップの目的のようだ。
今回のイベントはインターネットで検索して知った。
参加を決めたのは直感であり、スピーチ武者修行の一環と考えたからである。
つまり、自分の話し方の弱点を克服することに繋がるかどうか。関心事はそれに尽きる。
具体的には、第一に声の感情表現力アップ、第二に声量、質のアップを期待していた。
第三以降では、あがり症対策、度胸づけ、というのも当てはまるだろう。

内容は、前半が声のワークショップ、後半が活弁の実践ワークショップである。
それぞれを一時間ずつ。

前半の声のワークショップでは、発声がメイン。
発声訓練をしながらの先生からアドバイスを箇条書きにすると以下の通りだ。

◎足の親指に力を入れて重心を下げる。
◎目を閉じてどんどん下がっていくことをイメージする。思うだけでいい。
◎肩に力を入れない。「あー」のときも手をぶらぶらできるほど。
◎「あー」声をまっすぐ前に飛ばすことを常に意識する。
◎「あー」声を張るときは45度上、三階席に飛ばすイメージ。
◎「あー」低い声は重心といっしょに声を落とすイメージ
◎「あー」高い声は天井を突き抜けるイメージ。

指示が具体的である。声の高低というバリエーションを行うのは新鮮だった。声を出す際にイメージを大事にすることがよくわかる。特に、未だに話を聞き返される自分としては、「声をまっすぐ前に飛ばすことを常に意識する」というアドバイスは示唆的だった。

この後は早口言葉や口上などを織り交ぜ、少しずつ声に感情をつけていくようなレッスンが増えていく。声を出すだけなら誤魔化しながら着いていけたが、感情をつけてとなるとかなり戸惑った。声を押さえつけて、と言われてお手上げである。方法がわからない。


後半の活弁のワークショップでは「チャップリンの番頭」と「国定忠治」に参加者たちが声を当てた。
一人一人スクリーンの横に立ち、「映像、スターット」という一声を皮切りにする。
一人が声色で演じ分けるのは落語のようだ。特にチャップリンの方はコミカルでリズムがいい。時折、受講生の間から笑いが起きる。自分もクスクス笑いながら見入ってしまった。

活弁については今回、見学だけだったが、声の感情表現力のアップという意味でこういう楽しみながらの鍛え方もよいなと思った。先生も熱心で頼りがいがある。声の表現に幅を持たせる訓練になるのは確かだろう。今のところ、来年から月イチ通ってみようか、という気になっている。

また今日も「声はいいね」と褒めていただいた。そろそろ声には自信を持っていいかな。

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