2012年7月23日月曜日

スピーチもスタートが命

スピーチを失敗する場合は、およそスタートで徴候がある。
いかにスムーズなスタートを切るか。
最近の関心の一つだ。
陸上や水泳のようなスポーツでは、スタートの失敗が取り返しがつかない状況を生む。
スピーチも同じである。スタートでつまづくと、その状況をしばらく引きずることになる。
始まってまもなく「えー」「あのー」「なんだっけ」と挟まれるスピーチは見苦しく、聞き手に対する印象も悪い。そこからのリカバー、理想のレールに乗せるのは至難の業である。

今日の教室は、テーブルスピーチがテーマだったが、同様である。
とはいえ、自分で会合を想定して行うテーブルスピーチの実習というのは、数ある実習の中でも、もっともやりにくさを覚えるものの一つだ。よほど集中力を発揮しないかぎり、想定した状態でスピーチを行うのは困難だ。
聞き手としてもイメージしづらい。
それに評価のポイントがわかりづらい。

胸を張り自信に満ちた表情で、ただちに話し始める。一人一人に話しかけるように目を配る。暗記しながらも棒読みにならず、話しかけるようにもっていく。わかっていても、それが本当に難しい。
好スタートを切るというのは、もっと意識すべき課題だろう。

2012年7月21日土曜日

手癖は不要か

ジェスチャーが苦手だった。
いや、今でも苦手である。

ただ練習を重ねている今となっては、手を極力動かさないでスピーチをするほうが難しくなってきた。いわゆる手癖。右手を前方で振るような手癖のあるほうが話すリズムがとりやすく、言葉もスムーズに出てくる。

スピーチのときはとにかく手を動かしたほうがいいという考えも耳にする。実は現状、この意見に賛成である。なぜか。自分が聞き手になったとき、内容と関係なくても身ぶり手ぶりのあるスピーチのほうが話に引き込まれるという実感があるからだ。

そんな中、今日の教室は話すときの態度がテーマだった。
態度というのは身ぶり、手ぶり、表情、視線、姿勢、服装、対人距離など、見た目がすべて含まれる。スピーチ実習でも話の中身よりも態度を重点的にチェックされる。

HR流では、話の内容と関係あるとき以外、手は前で重ねるか、両サイドに軽くたらす。ジェスチャーに慣れない頃はむしろこのほうがラクだった。

スピーチにおいてどちらがよいか、という問いは、実生活においてどちらが役に立つのか、と同じ意味だ。まだ明確な答えは出ないが、ジェスチャーしないというのは、普段の意識と逆。それゆえの学びがあった。

今回の実習は手ぶりをまったく使わないことを意識した。意識が終始できていた。それでわかったのは、必要なところではジェスチャーは自ずと出てしまうということ。しかしそれは、伝えたいという思いの強さなんだと思う。

いわゆる手癖は出ていなかったと思う。
これが理想なのだろうか。
手癖は不要なのだろうか。
いずれにしても答えを急がず、しばらく意識して考えていきたい。

2012年7月17日火曜日

タイマー係の意味

今回のTMCではタイマー係だった。
タイマー係とは、準備スピーチ、論評の時間をストップウォッチで計り、制限時間を三色のボードでスピーカーに知らせる役割だ。
例えば、5分から7分の制限時間であれば、5分で青のボード、中間の6分で黄色のボード、制限時間の7分を過ぎると赤いボードを立てる。制限時間を30秒すぎると、その赤いボードを倒す。すると、そのスピーチは投票圏外、事実上の失格となる。

タイマー係は二度目だったが、一度目は入会直後でこなすことに精一杯だった。
ただ今回は、思いがけない気づきがあった。
それは時間配分についてである。

予想以上にスピーカーたちがこのボードを確認していることに気づいた。
それぞれのスピーチにタイムオーバーをめぐる攻防、ドラマがあるのだ。

時間が押している場合の二者択一。
それは、言いたいことを最後まで言い切るか、途中で端折るか、である。

特に準備スピーチは、原稿を用意している場合、それを端折るのは至難の業というのが実感だ。
前段で予期せず時間をとられたとき、端折るルートが確保できていないのだろう。準備していたものを端折るのは難しい。端折ることまで準備していないと、時間をすぎても一本道でゴールに向かうしかない。話しているというより、話させられているというほうが近いだろうか。
そしてタイムオーバー。それはなんとなく雰囲気でわかるものだった。

準備スピーチでは端折るルートも確保しておく必要がある。

そして論評。
こちらは最後の30秒が明暗を分けるようだ。
論評者は準備スピーチ以上にボードをこまめに確認しているのがわかった。
会場のウケ具合では、ベスト論評者の候補は二人いるように思った。ただその前者は4秒のタイムアウト。最後まとめられたはずだが、残り30秒でもペースを変えない。あえて最後まで言いたいことを言い切った。論評相手のためともとれる行為、評価が分かれるだろう。
後者は、残り30秒でまとめに入り、最後は「とにかくお疲れさまでした」とらしくないまとめかたをした。ただそこに至る論評はウィットに富み、絶えず聴衆を楽しませた。

自分なら、是が非でも時間内にまとめたい。強引にでもまとめる図太さを持つべきだと思う。

役割によって見えてくるものが違う。
今回は、近い将来、論評者になるという問題意識がタイマー係の意味を変えたのだろう。

2012年7月14日土曜日

状況の意味を考える

iPhoneに入れた全データが消滅した。
しかも、保険であるはずのパソコンに取ったバックアップがエラーで戻らない。仕事はもちろん、スピーチに関するデータまで、3年間におよぶ蓄積が忽然と消えた。突然のことだった。

連休前の深夜だった。

何かの間違いだろう。パソコンの前で息が詰まる。深夜まで復元につとめるも空振りの連続。真っ白になった頭の中を埋めてゆく混乱。
翌朝からも、ひたすらパソコンの前で格闘した。softbankのiPhoneテクニカルサポートセンター、Appleのサポートセンターに電話。そして見放された。

まさか、どこかで復元できるだろう。そういう心持ちがあった。電話を切るたび、身体の髄から出てくるような熱で嫌な汗をかいた。食事も取らないまま、パソコンの前で思いつくあらゆる手段を試す。ワラにもすがる思いで掛けたデータ復旧会社からも無理の一言。
ようやく一息ついたときには窓の外は暗くなっていた。

スピーチ関連のあらゆる情報が入っていた。なかでもメモ、ボイスメモ機能はフル活用していた。上達のためのロードマップとその進捗状況、さらに読書メモ、アイデアメモ、これまでのスピーチタイトル、原稿……。HRでの、ほぼすべての講義録をおさめたボイスメモまで根こそぎ消えた。3年間におよぶ蓄積が水泡に帰した。

パソコンの前を離れた。外に出た。
状況を整理しようと思ったのだ。

宵闇をあてどなく歩く。すると頭に浮かんできたのは意外な結論だった。

これってそこまで大変な状況だろうか。
確かに、iPhoneがないと何もできないという中毒にも似た状況があったのは否定できない。蓄積してきたデータが消えてしまった今、利便性を欠くことになりそうだ。一方で、ヘンな解放感を覚えていて、これは何だろうと思う。

間違いないのは、三年間も蓄積したデータが消えたというのはターニングポイントになり得るということ。消えたのはデータだけである。経験ではない。このiPhoneデータ消去という“事件”が、誕生日の3日前に起きたことの意味を今は考えよう。

良くも悪くも状況の意味を考えるようになったのは、スピーチを学びはじめた副産物なんだから。

2012年7月9日月曜日

【メモ】All About プレゼンテーションの基本

▼All About プレゼンテーションの基本
http://allabout.co.jp/gm/gl/16486/

プレゼンテーションは、相手にどのように伝えるかが重要です。構成要素や資料の作り方、事前に準備しておきたいことなどを解説します。


プレゼンは質問で始めよう

プレゼントいえば結論が先、というセオリーがある。
『コクヨの1分間プレゼンテーション』が提唱するプレゼンが他と違うのは、冒頭で結論を話す前に疑問を持ってくることだ。
ざっくり、次のような時間配分。

疑問(15秒)→結論(10秒)→理由(35秒)

例えば、通常のプレゼンの場合では次のように結論から入る。
「プレゼンを上達させたいなら『1分間プレゼンテーション』だけを繰り返し練習しよう、という提案をします」

しかし、コクヨのプレゼンでは、結論を話す前に「プレゼンがうまくなる近道を知っていますか?」という疑問を投げかける。

序論の目的は、聴衆に興味を引きつけることだ。
確かに結論から入るのはわかりやすいが、そっけない感じもする。
そこで疑問から入る。

(疑問)プレゼンがうまくなる近道を知っていますか?
(結論)今回はその方法として『1分間プレゼンテーション』だけを繰り返し練習しよう、という提案をします。
(理由)この方法は毎日の仕事でも練習できて、プレゼンの大事なポイントが集中的に鍛えられます。

このようなアウトラインになる。
これを掘り下げていくことで1分間プレゼンができあがる。

さてさて、今日のC教室で発表したかったのは、この話をきっかけにスピーチの序論の入り方を吟味するという内容である。タイトルは、プレゼンは質問で始めよう。しかし今回もラストの5分しか時間をもらえず、アウトラインを紹介するだけで終わった。まぁそういうことも想定して準備するべきだった。
パソコンもうまく立ち上がらず、あたふたしてしまった。

消化不良だが、不測の事態が起きる実践を想定すれば、さまざまな課題が見つかった有意義な時間だった。

▼プレゼン課題
◎あらゆる事態を想定する。
◎時間に余裕をもって準備を終わらせる。

2012年7月7日土曜日

恥をかくということ

今日の勉強会は途中参加だったが、
チャレンジ精神のない司会を久しぶりに見た気がする。

会話が一区切りつき沈黙が流れる。司会者に集まる視線。
司会者はうつむき押し黙っている。
進行を求める視線を感じながらも、誰かが声をかけるのをじっと待っている。
受け身宣言。

別に司会者に文句を言いたいわけではない。
なぜならこの状況から学ぶことはとても多いから。
まずもって、以前の自分を見ているようだった。
肥大化した自尊心。それを“練習”の場でも手放すことができない。

いや、今の自分でさえ状況によっては受け身である。
積極的に自分が動くべきところで、踏み込めずに誰かに身を委ねてしまうこと、多い。

そんな自分を壊すために、まずはこの場所を活かそう。
そして、日常に活かさなければまったく意味がない。
勉強会が恥をかく場であることを再認識した。
恥を「かける」場ではなく、恥を「かく」場であるということ。
消極ゆえの恥より、積極ゆえの恥をかこうじゃないか。

2012年7月4日水曜日

朗読、やっと始動

朗読の練習に最適なテキストを見つけた。

『何度も読みたい広告コピー』

ボディコピーを中心にしたキャッチコピーの傑作選である。
だいぶ以前からボディコピーには興味があった。

膨大な時間を注ぎ、磨きをかけられた短文。
極限まで磨かれたコピーよりも、情緒があるというか、
黙読していても心に染みるようなストーリーが多いのだ。

朗読と言えば、表現よみの影響もあり、当初は文学にこだわっていた。
特に太宰の独白調の短編が最適だと思っていた。
ただ、ずっとやらずに過ごしてきたのは、ハードルの高さを感じていたのかもしれない。

広告を読む行為には正直抵抗もあるが、表現として向き合えば選び抜かれた良質な言葉ばかり。コピーライターって偉大だ。
それに前述の本であればキャッチコピーの勉強にもなるだろう。
一石二鳥ねらいで『何度も読みたい広告コピー』を朗読の課題テキストにするつもりだ。

2012年7月3日火曜日

テーマはチャレンジ

渋谷のTMCが新しい期に入った。
例会に先立ち新会長の挨拶があった。
その中で二点印象深い内容があったので書き残したい。

まずは今期のテーマが「チャレンジ」になったこと。
TMCはあくまで学びの場である。
仕事場、家庭、地域など、それぞれの舞台で活かしてこそ、学びに意味がある。
TMCで臆する必要はない。

もう一つはやる気さえあれば自分でどれだけでもハードルを上げられるということ。
前回メモを見ずに論評を行ったZ徳さんが引き合いに出されていた。

まったくその通りだと思う。
シンプルだけどよいテーマだと思う。
果敢に挑戦しよう。
失敗も恐れないし、成功も恐れない。


2012年7月2日月曜日

原稿準備をしないメリット

C教室の最後の10分、「真珠の耳飾りの少女の楽しみ方」というプレゼン発表をした。
パワポで資料は作ったものの、得意の美術ネタということで特に原稿の準備をせずに挑戦した。

録画したビデオで振り返る。

準備をしないメリットはやはり臨場感だと思った。
聴衆に伝えようという意識が強い。ジェスチャーが大きく、声も生き生きしている。

デメリットは話しておきたい情報が抜けることだ。
忘れるぐらいなんだから大したことない情報なんだよ、とは言われるが、そんなことはないな。
けっこう致命的な情報が抜けてしまっている。

そしてやはり冗語が多い。
「あのー」「えー」「まっ」時間制限も手伝い焦りがあった。
リアルな時間制限があるのは練習としてはよさそうだ。

おおよそウケる部分がわかった。
ちょうど「真珠の耳飾りの少女」が来日している時期だ。
これをTMCの準備スピーチにできないか検討してみよう。

2012年7月1日日曜日

7月のうちにやるべきこと

これまでの課題を振り返ってみると、できていないことが予想以上に多い。

◎朗読を楽しむ
文章を読んでいてつっかえることが未だに多い。朗読で克服を目指す。

◎キャッチコピーの研究
言葉に対する感性を身につける。

◎ジェスチャーの練習
キレとパターン。両手を使い慣れる。TMC、TEDなど、見よう見まねで実践あるのみ。

◎小泉進次郎のシャドーイング
デリバリースキルを身につける。

◎HRテキストの再構成
具体例と話材収集を兼ねる。

◎自己分析
自分史を作る。

◎改善チェックシートの作成
3分スピーチ用。レビューとして毎回の教室で使えるものを作る。

特に「朗読」と「コピー」の強化月間にしたい。
この二つの訓練は毎日必ず行う。

今月あえて取り組まない課題は、
◎ユーモアの研究
◎ボキャブラリの強化
◎スピーチのストック作り