2011年12月11日日曜日

東照二と佐藤綾子

この一週間、東照二と佐藤綾子の著書を集中的に読んでいる。

なぜか?

ようは政治家のスピーチ術に興味が向いているのである。
きっかけは東照二著『選挙演説の言語学』だった。
以前、図書館に朗読関連の本を見に出かけたとき、棚の並びにあって目がとまった。

リピートトークとラポートトーク、コードスイッチングなど、この一年、スピーチを勉強していながら初耳の言葉と理屈に溢れていた。それが非常にしっくりくるのである。

一年間、スピーチを勉強してきたけど、選挙演説はその究極である。

そう気づき、東の他の著書も読みたいと思った。
そうやってAmazonで検索したとき、東の著書とともに出てきたのが佐藤綾子著『小泉進次郎の話す力』である。実は以前、書店で立ち読みして気になっていた本でもある。

この本は東と同じく、実際のスピーチを引用しながら考察している。小泉進次郎自身のスピーチの魅力もあるのだろう。非常に面白く読めたし、小泉進次郎のスピーチは研究するに値するという心持ちで、その後、ユーチューブをチェックするきっかけにもなった。

佐藤のプロフィールを見ると、パフォーマンス学という単語が目に入った。
話術というのはパフォーマンスだよな、という直感。
そんな経緯で東照二と佐藤綾子の著書をAmazonのマーケットプレイスで次々に購入した。

東照二
『選挙演説の言語学』
『オバマの言語感覚―人を動かすことば』
『言語学者が政治家を丸裸にする』

佐藤綾子
『小泉進次郎の話す力』
『人とつきあう自己表現 ─のびやかに生きる』
『人間関係が得意になる本―マンガ パフォーマンス学入門』
『自分をどう表現するか』

この二人の著書、内容の詰まりぐあいは雲泥の差であることを記しておく。
具体的なスピーチを引用しながら、分析していく東照二の手法は読み応えがあり、軸が広く構築的で、分析も鋭い。硬質な文体でありながら、わかりやすさが失われない筆力にも惹かれたのだろう。
一方の佐藤綾子の著書は内容に深みがない。根拠を掘り下げない。とりあえず本の体裁にさえなればいいといった塩梅。読んだ満足感がないのだ。

欲を言えば、小泉進次郎のスピーチを東照二が分析しているという構図がベストなわけだが。

今日は時間がないが、近々この著者たちの弁について要点をまとめていこうと思う。

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