2011年11月18日金曜日

重い腰をあげて

昨年末から会社で3分スピーチが始まった。
毎週一人ずつ月曜日の朝礼後に行われる。4-5ヶ月に一度当番が回ってくる。

どこで影響されてきたのか、社長のいつもの気まぐれである。
いや、意図も目標も示されないので、気まぐれに映るのだ。
何のためにやるのかだけでも説明しようよ、なんて言えないけどさ。

人前で話すのが大の苦手だった。
そのくせ学生の頃から人前に出るのが多い役まわりだった。
どうやって話していたのだろう。
大勢を前にして自分の話し方に意識がいく余裕はとてもない。
伝えるべきことを過不足なく伝えるだけで精一杯。
震える膝、全身が心臓になったように鼓動が高鳴る。
緊張が緊張を生み、あっという間に全身の血液を駆けまわる。
視線が定まらない。頭がぽーっとなる。
何度も恥をかき、うまくいかないことに苛立ちながら、何の対策もしてこなかった。

場数がもたらしたのは、洗練ではなく、苦手意識だけだった、と感じる。
貴重な体験から何も得てこなかった。
向き合ってこなかったのだから当然といえば当然。
体が成長いくように、話し方も自然と身につくものだと思い込んでいた。
そうではなかった。
目をそらしたまま、随分、遠くまできてしまった。

会社の3分スピーチがきっかけなのか、自分でもよくわからない。
昨年末、気がつけばウェブで話し方教室を検索していた。

話の苦手な自分を受け入れて、真剣に話し方と向き合おう。
重い腰をあげて10ヶ月が経つ。
人前で話すのはまだ苦手である。
ただ、そのことから逃げなくなった今、意識は着実に変わった。
 

毎週、スピーチに苦戦する同僚を見ながら、
出番にはみんなを驚かせたい、と思う自分に気づくほどに。

0 件のコメント:

コメントを投稿